徒然なる走り書き

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『嫌うなら嫌われる前に殺そう、ホトドギス。』

ギャグの筈でしたが、微妙な出来に。
やっぱり無理するものじゃありませんね(死滅

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彼がわたしを好きなうちに殺してしまおう――。
暗くて陰険な思考がわたしの頭の中に浮かんだ。
そんな事を考えているわたしに、この人はわたしに心地良く安心出来る何時もの表情を浮かべていた。



『嫌うなら嫌われる前に殺そう、ホトドギス。』



馬鹿げた事を考えてしまった――。
何故、そんな事を考えたのかと言うと、何気ない日常会話を何気なく自分の耳が拾ってしまっただけの事だ。
別に自分がそこまで人の言葉に影響されるとも思わない。
けれど、自分の心に少なからずその言葉を理解出来る部分があったのだ。


――結局、誰かと付き合ってて楽しい時期ってその人を本当に好きな時だけよね。


と、名前も知らないクラスメートが言っていた気がする。
なるほど、一理あるかもしれない…。
って、自分と先輩はそんなのではない、とその様なネガティブな思考に抗議する。

だけど、暫く経つとまたそのネガティブな思考がわたしの脳内を占領しようとする――。
そんな行ったり来たりの思考合戦を繰り返してしまう。


「はぁ…」


思わず溜息が出てしまう。
一日を良い一日で締めるための夕食を作っているのに、何とも不謹慎だ。
誰にも聞かれないと良いのだけれど。


「どうしたのですか、サクラ?」

「――っ」


背後からいきなり声を掛けられて、息が詰まってしまう。


「ら、ライダー?」


すぐさま後ろを振り向くとそこには不思議そうにわたしを見つめているライダーがいた。
確かに、先程までのわたしの行動を見てればそうだろう。


「どうしたのですか、溜息を吐くなんて珍しいですね」


――。
確かにそうかもしれない。
意図的でも無意識でもあるけれど、なるべく溜息を吐かない様にしていたのかもしれない。


「そう、かな。……多分、人参の切り方間違えちゃったからかも…」

「そう言えば今日はシチューでしたね」


まな板に転がっているのは輪切りにされた人参達が転がっていた。


「ですが、別に輪切りでも構わないのでは?」

「そうなんだけど、乱切りの方が味が染み込み易くなるし――」


実際、自分に天才的な料理人の舌があるなんて思ってはいない。
けれど、やはりちょっとした手の込み方は妥協したくなかった。


「なるほど。やはり料理は奥深いですね」


と、ライダーはわたしの言葉に感心していた。
上手く話を誤魔化せ――


「ですが、こういう失敗も珍しいのではないのですか?」


――てなかった…。


「う、うん…。ちょっと、考え事してたから」

「そうですか。刃物を扱っている時に考え事は危険ですよ」

「あはは…ごめんなさい」


本当に彼女は真面目だ。


「――ねぇ、ライダー」

「なんですか?」


そんな真面目な彼女はどんな助言をくれるだろう?
わたしが今、言おうとしているこの言葉を聞いて――。


――本当に好きな人を殺したい時ってありますか?












「あー、寒い日はやっぱりシチューだよー」


食欲魔神の如く藤村先生は凄い勢いでシチューを平らげている。
わたしはと言うと、なかなか箸が進まない。

って、実際わたしが握っているのはスプーンか。
こういう時でも箸が進むと言うのだろうか?
日本語はやはり難しい。

と、日本人なわたしがそんな事を考えてしまうのが可笑しい。

先輩もライダーも藤村先生も揃っている、何時もの食卓。
まず最初に先輩たちが料理の感想を言ってくれる。
今日は心ここにあらずな感じで料理をした所為もあるので、間違った所があったと思ったけれど、どうやら大丈夫のようだった。
そんな感じに普通に食事は始まった筈――。

けれど、今日は心なしか会話が何時もより少ない。
わたしとライダーがあまり積極的にお互いと話そうとしないからだ。
お互いあまり喋らないけれど、やはりこう言う場には少し影響する。


「うーん…桜ちゃんとライダーさん、今日はあんま喋らないね。ケンカでもした?」


藤村先生が聞いてくる。


「いえ。ケンカはした覚えはありませんが」

「はい…。ただ、今日はちょっと話のネタが見つからないんで…」


ケンカをした訳でもない。
話のネタが見つからないのも本当だ。


「ふーん…」


納得してるようなしてないような微妙な表情をしながら藤村先生は食事を再開した。






「桜」


洗い物をしながら先輩がわたしに話しかけてきた。
その声は真剣だった――。


「何かあったか――?」


実際、ここまで真剣に考えなければいけない事なのだろうか?
普通に生きている人にとっては些細な事かもしれない。
けれど、わたしは普通じゃないから――。

きっと、わたしは嫌われたら立ち直れない――。


「あの…先輩――」


けれど今こんな事を言ったら、それこそ嫌われるかもしれない。
もしくは脅している様にも取れるかもしれない。


「――嫌われそうになったら殺しても良いですか?」


真顔で言った自信がある。
目の前の大好きな人は目を白黒させてわたしを見つめていた――。


「……なーんちゃって…」


と、小さく言ってみた。


「――また、遠坂か藤ねえに何か吹き込まれたのか?ちょっと、ブラック過ぎる気がするんだが」

「そ、そうですよねっ。わたしも黒すぎると思ったんですけどちょっと言ってみたくて」


二人のどちらが言ったかは特定もさせず且つ否定もしなかった。
こうすれば思わず口から出てしまったわたしの言葉を上手く流してくれると思った――。


「……まぁ、そういう機会が起こらないとは思うけどな」

「――え?」

「俺は、ずっと桜が好きだから」

「――っ」


この人の言葉に、わたしは言葉を無くしてしまった。












――ちなみに。


『かなり黒い質問ですね』


ライダーは少し溜息を吐きながらわたしを驚いた顔をしながら見つめていた。
わたしだって、何故今日に限ってこんな事を聞いてしまったのか分からない。
原因は分かっていても、何故それを行動に表したのかが理解不能だ。


『――今、一番大切なのはサクラです。それはこれからも変わらないでしょう』


彼女の言葉は重みがあって安心出来た。
早く、わたしも冗談です、と言って場を和ましたかった。


『ですが――』


――え。
思わずライダーの顔をおもむろに見つめる。
とてつもなく美人な彼女の顔を見ると、少しドキドキしてしまう。


『私が士郎ばかりに夢中なサクラを嫉妬に任せて殺してしまう事はありそうですが』


彼女は意地の悪い笑みを作って、その場からいなくなってしまった――。
それが、先程の夕食での二人の違和感の原因だったり――。


Fin.
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